新海誠展 ―きみはこの世界の、はんぶん。―行ってきました。
新海誠展にやっと行ってきました。
電車で2時間くらいだったので、せっかくだから誰か誘ってと思ってましたが
なかなか合わず結局1人で^^;
関東方面からだと東海道線の沼津行き一本で行けるのはありがたいですね。
過去にも、小海町高原美術館や奈良県立万葉文化館にも行きましたが
公共交通機関使ってのアクセスはなかなかきつかったです(笑)
電車降りて、TOICA地域外からだとICカードが自動改札で使えないことに戸惑いながら
徒歩1分ない大岡信ことば館へ
展内は写真撮影および携帯電話の使用が制限されているので文章になります。
まずは展示内容全般について。
展示作品としてはメインは以下4作品。
- クロスロード
- 言の葉の庭
- 秒速5センチメートル
- 彼女と彼女の猫
各展示について(覚えてる範囲ですが)
- 全体
今回の展示のボード(サイン入り)
言葉(宙吊りや壁に劇中の言葉などがちりばめられてます) - クロスロード
絵コンテ、デジタル設定画(キャラ(海帆、翔太、Z会先生)設定)
原画 4シーン x4、原画とレイアウト x2、完成画面 x1、背景美術 x3
立体展示 x2(撮影がどのようなものか5、6枚のクリアパネルで簡単に示した展示) - 言の葉の庭
背景美術 x5、完成画面 x2(内1つはレイアウトと並べて展示)
原画とレイアウトと完成画面 x3、絵コンテ、キャラ設定
シノプシス、タカオデザインの靴
特設展示(雨の日の東屋で雪乃先生を眺めている気分になれるやつ)
マーケティングについて(2012/08/12にCWFに提出した文章のダイジェスト)
この作品について思うこと(2012/09/22にメインスタッフに配られた趣意書のダイジェスト)
※渋谷タワレコや万葉館の展示見てる方は、7割くらいは見たことあるかも - 秒速5センチメートル
いろいろ(原画、レイアウト、絵コンテなど)
手紙 x4、劇場パンフレット
※過去の展示で見たことあったはずなので詳細はナシ - 彼女と彼女の猫
絵コンテと原画?、コミケでのポスター、ブックレット?
※過去の展示で見たことあったはずなので詳細はナシ - メイキングやインタビュー映像
言の葉の庭、星を追う子ども、秒速5センチメートル
※全てDVD/BDの特典映像なはず - 上映作品
言の葉の庭、秒速5センチメートル、彼女と彼女の猫 - メイキングセミナー映像
8月に行われたメイキングセミナー(1時間24分)の追加展示 - クロスロード
本編やメイキングで全10分程度
と、だいたいこんな感じでした。
展示まとめただけでこんな量かよと書きながら思ってます(笑)
映像展示も含めたら、簡単に半日過ごせますね!
こんなことなら、早い時期に行ってまとめとくべきでした…
以下、展示についてピックアップして紹介していきます。
- タカオデザインの靴
映像作成に先駆けて作成されたもので、劇中のまんまです!(そりゃそうです)
新海監督「高校生男子が思いつきそうなデザインで、オーソドックスになりすぎない」
オーダーシューズ・靴教室 hosoiriworks(東京・学芸大学)の壹岐まどか氏製作。 - マーケティングについて(2012/08/12にCWFに提出した文章のダイジェスト)
以下の項目の内容で書かれています。
あと、ピックアップしてメモした内容をちょろっと。
気になる文章をメモしたので、項目と違ったりしてますが。
1. 誰に向けた作品か
1人で見たい作品。家族や人との絆でもなく、労働や共同体の暖かさでない、
そのずっと手前で立ちすくんでる個人。
2. 俳優/声優について
微妙な心理の揺れを分かりやすく強調出来る声芝居が必要。
(描きたい作品に応じて違うということ?)
3. 今の現実を切り取る/各商品ロゴについて
「一見リアルだけど実は違う」という描写は2000年半ばまで喜ばれたが、
今では逆に陳腐なお約束描写になってしまった感
4. 何が後方の軸となり得るか
観客を導く太い導線が必要。(CM、有名な俳優、メジャーアーティストなどなど)
広報活動の根底には、自己プロデュース・告知していく思想も必要。 - この作品について思うこと(2012/09/22にメインスタッフに配られた趣意書のダイジェスト)
上の「マーケティングについて」と同様。言の葉の庭についての話。
1. 「愛」よりも前、「孤悲(恋)」の物語
かつて日本には愛(という概念)はなく、だから恋愛もなかった。ただ恋があるだけだった。
2. 不安定な大地を歩くこと。東京を舞台にした「足」の物語
震災を契機とした意外な発見は、どのような状況下でも日常は存在し、
人々はその足下がどれほど不安定であろうともその場所に留まって生き続けていくのだということ。
東京の風景が大きく変わってしまうかもしれない、その前に今、この揺れる大地の上にある日常を
そこを歩く足の物語としてアニメーションの画面に留めておきたいと思う。
3.「絆」よりも前、「孤独」の物語
アニメーション作品においてたいていの場合、「絆」は「孤独」のアンチとして描かれる。
それはある種幼稚な世界観で、アニメが類型ばかりだと敬遠される一因であると思う。
4. 万葉集と靴職人、日本庭園と味覚障害
本作品を構成する要素はバラバラで統一感がない。
モザイク状の不安定さが本作の貫く軸であり、それこそがアイデンティティだと思う。
拠り所のなさも孤独も受け入れた上で、それを肯定的に描く必要があるのだと思っている。 - クロスロードのデジタル設定画
クマのアクセサリー、ペンの持ち方、マフラーの巻き方などなど
パソコン上では、影、眼鏡等の非表示可能らしい。眼鏡なしの海帆か…ふむ… - クロスロードの絵コンテ
最初からビデオコンテとしてデジタルで作られている。
紙へプリントするけど、主にアニメータや背景美術スタッフとの意思疎通をスムーズにするため、とのこと。 - メイキングセミナー映像
新海誠監督、田中将賀さん、多田彰文さん、やなぎなぎさんという…行きたかった…
以下のような構成のセミナー。
(1). 新海作品における遠くに行きたいキャラクターたち
(2). 「クロスロード」メイキング
1. 企業CMを作るということ
2. コンセプト「合否を語らないこと」
3. ビデオコンテ
4. 背景美術・コンポジットについて
(3). 作画・キャラクターデザインについて(田中将賀さん登場)
(4). 主題歌「クロスロード」について(多田彰文さん、やなぎなぎさん登場)ちなみに主にこれ目当てでいったのですが、徹夜明けで行ったため、
途中で休憩し寝て、結局見たかった背景美術・コンポジットについてを見てないという…
いくつかメモったことを箇条書き。
・加納さんに言われるまで、大人になるということは「遠くに行く能力を得る」と思ってた。
・大人にならなくても生きていける消費社会になった。エヴァのシンジくんとか20年たっても…と。
・作品は作りたいものを作っているが、何かしら社会を写したテーマになっている?
・基本、オリジナルも企業CMの作品も区別していない。
・冒頭の「別に幸せになりたいわけじゃない」というセリフ。
焦点は目標に対する過程であり、それが合否を語らないことに繋がっている?
・「少女と先生編」「少女と少年編」「少女と少年と先生編」の3つの案があり、
3つ目が最終形に近い。大学で〜とか結婚後〜とかの記述もあり。
・合否を語らないことで、過程を見せる?
・キャラクターデザインとは、作品の顔であり、お客さんの関心を引くもの。
アニメータとの違いはインパクトが必要であること?
・CMの最初の海帆の髪の乱れは、同じ繰り返しは使っていない。
・新海さんの作品は、影の中に入ることが多い。
・影から出てくるところ(本編00:23あたり)は、田中さんの提案であり、
キャラクターの顔見せと決意の表れを意味している。
・動作の緩急について。1秒18コマをどう使うかということについて。
・試験開始で一斉に動くところ、全部描いているわけではない。
色を違うものにしたり、動作のタイミングを変えている。
・最後、海帆と翔太がぶつかったあと、海帆のメガネなおすところは田中さんの指示。
・露出がほぼなかったなぎさんが、実在するのか疑問だったと冗談を飛ばす監督。
・冒頭の「別に幸せになりたいわけじゃない」に対して歌詞は前向きに。
・多田さんとどんな風に音を作っているか、データを持ってきて公開。
・新海監督から送られてきたサンプルではボーカロイド使ってる。
・監督から第三者の視点で歌ってほしい?そこがなぎさんにとってクロスロードの難しい点だった。
すごい雑多ですが、新海展はこんな感じでした!
ここまで書くのに2時間近くかけてしまった。画像もまだ取り込んでないのに…
あ、あとで追記しよう…
まあ、行かない人にも、なんか伝わるといいんだぜ…
終了まであと1週間切ってますが、行ける人はぜひぜひ!!!
自分もここまでのボリュームを想定してなかったので
もう一回行きたいところです。